一括信託の仕組みを解説!

売掛金債権を活用して機動的な資金繰りを可能にするサービスに一括信託という制度が登場しています。一括信託とは銀行が提供しているサービスで、企業が保有している売掛金債権や未収金などを銀行と売掛先が連帯して、債権者に対して支払うことを主眼としているものです。当事者の地位を確認すると、債権者は売掛金などの現金の支払いを請求できる立場で、債務者は売掛金などの支払い義務を負っています。ここで銀行は債務者と連帯して債権者に対して金銭支払いを保証する立場に立つのです。

契約

この制度の仕組みは、銀行と債権者・債務者の三当事者が契約を結ぶことになりますが、前提として債権者が債務者の承諾を得ることが必要です。一括信託を利用することのメリットは、債権者は支払期日の到来を待つことなく、自分にとって最適のタイミングで現金を請求できる点にあります。この仕組みのもとでは銀行にとって、どこにメリットがあるのか疑問を抱く方がいるかもしれません。
仮に債権者が支払期日前の任意の日付で支払いを受けると、支払日までの利息分に対する支払いが必要で、この部分が銀行にとっての収益になります。債権者から引き出されるまでは、事実上預金された状態なので他の融資先への融資金の原資に利用することで利息収入につなげる事も銀行側にとってのメリットです。

ただし一括信託を利用するにあたっては、債務者の承諾を得るだけでなく三当事者間で基本契約を締結し、債務者から銀行に対して支払い金額や支払い期日などの債務の詳細のデータの移管・引継ぎが必要になります。債務データの引継ぎが完了すると債権者の利用が可能になり、銀行から代金を受け取ることが出来る仕組みになっているのです。決済方法は電子決済の方法が採用されており、約束手形の提示などが不要なので事務手続きも簡素化され、支払手形の作成のコストや盗難リスクの軽減などの付随効果も享受できるのもメリットです。

ところで売掛金を支払期日前に現金化するというのは、ファクタリングにも類似しています。一括信託では銀行と売掛先と債権者の3社間取引だけしか選択する余地はありません。これに引き換えファクタリングでは3社間契約のほかに2社間契約も用意されています。ファクタリング会社と利用会社の間だけで現金化できるので、一括信託のように債務者の承認を得る必要がありません。また売掛先が倒産すると未回収のリスクは債権者が負いますが、ファクタリングではファクタリング会社が負うことになるのも違いの一つです。

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